お猿の顔はなぜ赤い


むかしむかし、笠島村(愛島)の山奥におじいさんとおばあさんが山稼ぎをして暮らしていました。たくさんの動物といっしょに、のんびり暮らしていました。

猿も人なつっこい動物なので、山から下りてきては人の庭で遊んで山へ帰ることもたびたびでした。心のやさしい老夫婦は、子供がいないので、猿がくるとにぎり飯や餅などをやったりしていたそうです。

何年も過ぎたお正月も近くなったころ、老夫婦はお餅をつく用意をしていると、猿たちが庭へ様子をみにきました。
つぎの日、おじいさんとおばあさんは餅つきを始めたら、猿の鳴き声が変なので行ってみました。二、三匹いただけでなにごともなかったのですが、家にもどってみると、うすの中の餅がなくなっています。

老夫婦がびっくりして山へ行ってみると、猿たちは大勢で餅をちぎって顔やお尻にぶっつけながら、けんかをしていました。
熱い餅ですから、ぶつかったところは赤くなってしまいます。それから、 猿の顔やお尻が赤くなったそうです。

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