屁たれ嫁ご
むかしむかし、あるところでお嫁さんをもらいました。 その嫁がときどき顔を青くしてため息ばかりついていました。 それを見ていたお姑さんが心配して「なすて青い顔してため息ばかり ついているのや。」と聞いたそうです。
すると嫁さんは「里のおがっちゃんに、女は屁(へ)なんかたるものじゃねいと言われて来たので、 我慢をして困ったんだを。」
「な んだそんなこどが、屁(へ)なんかだれでも出るもんだからたれや。」 と言われて、ボーンボーンとやったのです。するとお姑さんは天井の梁(はり) まで跳ね上げられてしまい、びっくりして「こんな嫁ご出ていけ。」と怒ってしまい、 嫁さんは仕方なく出ていきました。途中までいくとくるみの木がありました。
そこで反物屋(たんものやさん)が、石を投げてくるみを取ろうとしていました。 嫁さんは「何をしていんのっしゃ。」と尋ねました。
すると反物屋さんは、「くるみ取っていんのっしゃ。」、嫁さんは「そんなことで取れないっちゃ。」 と言うと、お尻をまくり屁(へ)をボーンボーンとやったそうです。
くるみはボタボタと落ち、反物屋さんは喜んで嫁さんに反物をみなあげました。 それを背負って家にもどっていくと、お姑さんは「これは宝物だ。」といって大事にしてもらい、 幸せに暮らしたということです。